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インドネシアの人ってどんな人?性格・宗教・接し方までわかる完全ガイド

代表取締役 外国人雇用労務士

上田 浩之

近年、日本で働くインドネシア人が増えてきました。インドネシアとのビジネス、交流などが増える中で、インドネシア人への理解は欠かせません。

交流が増える中で、
「インドネシアの人ってどんな性格?」
「どう接すればいいの?」
といった関心や疑問も高まっています。

本記事では、インドネシアの職業訓練学校で教育をした経験もある私が、インドネシア人の性格や文化の違い・正しい接し方などを紹介していきます。

これから「インドネシア人材の採用」を検討している企業の方は、ぜひ参考にしてください。


読者

インドネシア人ってどんなタイプの人が多いの?


上田

インドネシア人は、私たち日本人と似ているところがある反面、宗教などの価値観の違いもあります。インドネシアで教育経験がある私が、詳しく紹介していきます。

インドネシアの人の基本的な性格・特徴とは?

インドネシア人の性格は個性もあり、一概には説明できませんが、私が教育に携わってきた中で感じた性格・特徴を紹介していきましょう。

(1)優しくておおらか|楽天的な国民性
(2)協調性が高い|「ゴトン・ロヨン」の精神
(3)家族をなによりも大切にする
(4)時間に対して無関心|「ジャム・カレット」の精神
(5)礼儀と敬意を重んじる文化

(1)優しくておおらか|楽天的な国民性

インドネシア人は、明るく前向きな性格の人が多いです。小さなことにはこだわらず、トラブルがあっても「なんとかなるさ」と受け止める器量があります。人間関係においても、笑顔と柔らかい雰囲気を大切にする人が多いです。陰でこそこそ悪口をいうというような陰湿な人はめったにおらず、日本のサービス業でも十分に活躍できるレベルのコミュニケーションスキルがあります。

(2)協調性が高い|「ゴトン・ロヨン」の精神

インドネシアには「ゴトン・ロヨン(Gotong Royong)」と呼ばれる助け合いの精神があります。地域や家族、職場での協調を重視し、自分だけでなく周囲との調和を大切にする文化です。

ポイント

イギリスのチャリティー機関「チャリティーズ・エイド・ファンデーション」が発表した「World Giving Index(世界人助け指数)2024」によると、インドネシア人は世界人助け指数を7年連続で1位を獲得しています。

個人主義ではなくチームワークを重要視し、大きなことを成し遂げるという点では日本と似ているかもしれませんね。

(3)家族をなによりも大切にする

インドネシアでは、家族をはじめ身内をとても大切にする文化が根付いています。
JAPANNESIAがインドネシアの教育機関にインタビューを行った際にも、このような特徴を述べられています。

インドネシア人は、家族を非常に大切にする文化があります。これはどこの国でもそうだと思いますが、私の経験上インドネシアは特に強い傾向にあると思います。宗教的な教えから家族を大切にするというわけではなく、インドネシアの文化として家族を大切にすることが当たり前とされています。
引用:「企業は「ポテンシャル採用」で採用するべき!JI TRUSTが語るインドネシア人採用の特徴とは

日本に働きに来るインドネシア人が、家族への仕送りをしている人が多いのもこのような背景が理由になっているといえるでしょう。

(4)時間に対して無関心|「ジャム・カレット」とは?

インドネシア人は時間を厳守するという文化はあまり馴染みがありません。「ジャム・カレット(ゴムの時間)」という言葉がある通り、時間には比較的ルーズな傾向があります。

インドネシアの文化として、時間にはルーズな傾向があるということだけ覚えておきましょう。

ポイント

ただし、これは訓練を受けていない一般のインドネシア人の話です。日本に働きにくる人達は教育機関からも「時間厳守」などの日本のルールを守るよう、厳しく教育されているため万人が時間にルーズであるとはいえません。

(5)礼儀と敬意を重んじる文化

日本と同じく、目上の人や年長者に対しては、丁寧な言葉遣いや敬意をもって接することが一般的です。人前で感情を露わにすることを避ける傾向もあり、謙虚さや礼儀を大切にする文化は日本とよく似ています。

実際に、日本の介護施設で働いているインドネシア人には、このようなエピソードもあります。

クリスマスイベントではサンタクロースの格好で利用者様を楽しませるだけでなく、イベント終了後に寝たきりで参加できなかった方の部屋を自主的に訪れ「〇〇さんサンタだよー」と一人ひとりに声をかけてくれました。その優しさと繊細な気遣いにより利用者様は大変喜んでいました。
引用:「1年半で外国人介護スタッフを3倍に増員。うちこ園が外国人採用を成功できた理由

多くのインドネシア人が、日本の「福祉・医療」の現場で活躍しているということからも、「礼儀と敬意を重んじる文化」が日本人と相性がとても良いことが分かりますね。

インドネシア人と接するときに知っておきたいポイント

インドネシア人の性格・特徴が分かったところで、実際に彼らと接する際に知っておいてほしいポイントを解説します。

コミュニケーションのコツ|「コンテクストカルチャー」

コンテクストカルチャー」とは、人間同士がコミュニケーションをとる際に重視するスタイルの違いのことであり、コンテクストカルチャーには以下のようなものがあります。

ハイコンテクストカルチャー・・・文脈や感覚で「空気を読む」コミュニケーション文化
ローコンテクストカルチャー・・・言語自体を重要視し、明快かつ曖昧さがない文化

例えば、日本は「ハイコンテクストカルチャー」であり、会話の前後の文脈を通して「空気を読む」文化です。逆に「ローコンテクストカルチャー」は、主にアメリカやオーストラリアなどで活用されています。

では、インドネシアはどうでしょうか?
インドネシアも日本と同じく「ハイコンテクストカルチャー」に分類されます。

ここで注意しなければならないポイントは、ハイコンテクストカルチャーの国であっても国が違えば文化も異なるため、「文脈の意図にもズレが生じてくる可能性がある」ということです。

インドネシア人とコミュニケーションをとる際は、言葉を濁さずしっかりと伝えましょう。

注意すべき言動|人前での叱責はNG

インドネシアでは、人前での叱責などで恥をかくことを極端に嫌う文化があるため、人前で強く叱ったりするのは避けましょう。

一緒にインドネシア人と働いている場合などは、
「〇〇はやめて」といっても理由がうまく伝わらず人間関係のトラブルに発展することもあります。
インドネシア人を注意する場合は、「なぜそれがダメなのか?」を相手に寄り添って納得のいくよう対話をしていくことが重要です。

宗教と文化への配慮|イスラム教徒との接し方

インドネシア人のうち約9割が、イスラム教徒です。イスラム教の教えには以下のような特徴があります。

・豚肉の摂取(不潔な動物と見なされるため)
・アルコールや薬物の摂取(心身を見出し、悪行を引き起こす可能性があるため)
・ギャンブル(不正な利益を禁じ、社会的不正義を生むため)
・盗みや嘘つき(倫理的に許されない行為のため)
・婚外の性行為や不倫(家族の秩序と道徳を守るため)
・利子の取得(経済的不平等を防ぐため)
・偶像崇拝(他の神々を崇拝することを禁じるため)
・無駄な殺生・動物の虐待(生命を尊重し、無駄な殺生を避けるため)
・肉の地を飲むこと(健康と倫理的理由)

イスラム教の信者は、豚肉やアルコールを口にしない人が多く、ラマダン期間中(世界中のイスラム教徒が毎年1か月間にわたり日中の飲食を絶つ他、あらゆる禁欲が課せられる期間 )には断食を行います。こうした宗教的な背景を理解し、配慮を示すことが信頼関係を築くうえで非常に大切です。

インドネシアの言語事情|何語を話すの?

公用語は、英語ではなく「インドネシア語(バハサ・インドネシア)」ですが、地方によってはジャワ語やスンダ語なども話されます。英語も全く通じないというわけではなく、大学卒業生などを相手にした場合であれば簡単な英語も通じます。また、インドネシアは日本語学習者の数が世界で2番目に多い国であるため、若者の間では日本語が通じるケースもあります。

【体験談】インドネシア人と働く企業の実体験

JAPANNESIAが支援している企業やインドネシア関係者にインタビューを行い、インドネシア人に関わるうえでの体験談をまとめています。これからインドネシア人と仕事をする方などは参考になると思いますのでご覧ください。

インドネシア人と働く介護施設の体験談

インドネシア人と働く飲食業の体験談

インドネシアの教育機関の体験談

インドネシア人からみた日本の印象

インドネシアに行ってみると分かりますが、日本人への印象も良く非常に良い対応をしてくれます。
私がこれまでに感じたインドネシア視点での日本の印象をまとめます。

最強の仕事人

インドネシアから見た日本人は、仕事を完璧にこなす仕事人のように見えています。
インドネシアの元政治家であるヌルディン氏にインタビューをした際にも以下のように日本を讃えていました。

インドネシアの若者はさまざまな国へ働きに行きますが、私の考えでは日本が最も良いパートナーだと思います。技術ももちろんですが、一番は「仕事に対する考え方や姿勢」がインドネシア人にとって大変学びになるものだからです。
参考:「【特別企画】ヌルディン元州知事が語る「外国人が日本で働く本当の価値」とは。モデルとなる仕組みが日本には溢れている。

日本人の仕事に対する礼儀正しさやマナーの良さが高く評価されていることが分かります。

街全体が美しい

インドネシア人と話していると、日本は「道路が綺麗」とか「桜が綺麗」といった風景に関する評価を良く頂きます。インドネシアには、日本のように四季がなく、特に「冬に降る雪」はとても珍しいようで、SNSなどでもよく話題にあがっています。

漫画・アニメ

日本の漫画やアニメも若者を中心に大人気です。メジャーなものから最新作まで遅延なくインドネシアでも読まれているため、アニメ好きの人同士なら会話で盛り上がるでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。インドネシアは日本とも相性がとても良く、親日家でもあるためお互いにとってコミュニケーションがとりやすい国であるといえます。今後も日本で働くインドネシア人は増え続けるため、さらに身近に増えていくでしょう。

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著者プロフィール

JAPANNESIA株式会社
代表取締役 外国人雇用労務士

上田 浩之

外国人雇用労務士。JICA事業でインドネシアに2度の渡航を経験。現地にて整備学校の立ち上げ・教育の責任者として従事。帰国後、インドネシアへの深い知見を活かし、JAPANNESIA株式会社を創業。

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