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【特別企画】ヌルディン元州知事が語る「外国人が日本で働く本当の価値」とは。モデルとなる仕組みが日本には溢れている。

  • ヌルディン・アブドゥラ元州知事
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(写真左)ヌルディン・アブドゥラ様
はじめに

本記事はJAPANNESIAが公開するインタビュー記事の番外編です。インドネシアの政治家として活躍されたヌルディン様に自身の経験談をふまえ、お話を伺いました。

ヌルディン・アブドゥラ様の経歴

インドネシアバンタエン県県知事官舎(外観)
インドネシアバンタエン県県知事官舎(内観)

​ヌルディン・アブドゥラ様(Nurdin Abdullah)は、ハサヌディン大学の教授や日系企業のインドネシア社長を歴任。2008年にバンタエン県知事として初当選して以降、政治の道を歩み、2013年には得票率84%と多くのインドネシア市民から支持を得て再選され、2期10年間の実務を務めました。

在任中は、日イの関係構築をはじめ、人材育成の強化や緊急車両の充実化などのインフラ整備に注力し、今日に至るインドネシアの発展に貢献された人物です。 ​2018年には、南スラウェシ州知事に就任し、同年には日本とインドネシアの友好関係促進への貢献が認められ、日本国外務大臣表彰を受賞しました。

テレビでは伝わらない日本の魅力。日本こそがインドネシアにとって最良のパートナーである

JAPANNESIAとの出会い・きっかけについて教えてください

ヌルディン様:JAPANNESIAの代表である上田さんとは、私が在任していた2016年にインドネシア労働省とバンタエン県が協力して設立したインドネシア職業訓練センターのなかの教育指導者として迎えたのがはじまりです。

当時、インドネシアでは日本車が多数流通しているもののメカニックに詳しい人材が不足してました。そこで、愛媛県にある自動車販売店に協力を仰ぎ、職業訓練センター初の自動車整備士育成プログラムを立ち上げたことがはじまりです。当時、上田さんは自動車販売店の技術者でしたね。

この自動車整備士育成プログラムは、南スラウェシ各地から熱意を持った若者が集まりましたが、残念ながら受け入れ人数には制限がありました。上田さんは、プログラムに参加した自動車整備課の16人の学生に対し、ゼロからエンジンの仕組みを教え、2年間にわたってソフトスキル(5S・リーダーシップ教育・自立支援)はもちろん、日本語教育・技術指導の教育指導を熱意を持って実行してくれました。上田さんの指導がプロジェクトの成功の大きな要因になったことを今でも覚えています。

※16人の学生は現在、インドネシアの自動車販売店に就職・職業訓練校の先生・バンタエンの職業訓練校の校長に就任するなど活躍

在任中は日本だけではなく各国と協力関係があったかと思います。インドネシアから見た日本で働く価値とは何でしょうか?

ヌルディン様:インドネシアの若者はさまざまな国へ働きに行きますが、私の考えでは日本が最も良いパートナーだと思います。技術ももちろんですが、一番は「仕事に対する考え方や姿勢」がインドネシア人にとって大変学びになるものだからです。

例えば、インドネシアでは、日本で働いた人たちが結成している「OB会」というコミュニティが存在するのですが、日本で一度でも働いた経験のある人たちは、やはり母国に帰ってきても他のインドネシア人とは一線を画しています。

日本は、単に技術が素晴らしいだけではなく、日本の仕事に対する考え方や姿勢そのものがそれを形成しているのでしょう。こうした考え方を若いうちに学ぶことで、インドネシアと日本両国にとって非常に良い影響を与えてくれると考えています。

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日本で働くインドネシア人が増えていますが、そのことについてどのように考えていますか?

ヌルディン様:実践的に学べる良い機会であり、良い傾向だと思います。私が思うに、日本で働く価値はお金ではなく学びにあります。

日本はどこにいっても美しく完璧な仕事をしていますよね。
インドネシアでは日本の情報をテレビやメディアを通して知ることができますが、本当の日本の良さというものはテレビでは伝わりません。実践を通して学ぶことこそが一番の成長につながります。また、日本は業務における仕組みも素晴らしいですよね。

日本で働くという本当の価値。モデルとなる仕組みが日本には溢れている

在任中に参考になった日本の仕組みなどがあれば教えてください

私が日本に視察に行った際、市役所のシステムに驚いたことがあります。そこでは住民が番号札を取って順番に手続きを進めるという効率的な仕組みが機能していました。日本人のみなさんからしたら当たり前に思うでしょうが、インドネシアでは手続きを円滑に進めるための仕組みが機能していなかったりします。

このような仕組みの違いは、行政だけではなく民間にも影響します。例えば、自動車整備士育成プログラムを設立する以前は、インドネシアの自動車整備業界というと、日本車が多数流通しているのに対し、故障した車両の原因を特定することなく「とりあえず交換してみる」というやり方が一般的でした。
しかし、日本では自動車が故障しても、まずは全体の検査をして悪いところを特定し修理しますよね。

悪いところだけに捉われず、全体を通して悪い箇所を見極めていくという考え方は私の知る限り、日本が最も秀でている理由の一つだと思います。こうした仕組みを構築できるのも日本人の教育が素晴らしいからです。日本にはモデルケースで溢れており、出生や貧富に関わらずインドネシア人にとって平等に成長できる良い機会なのです。

日本とインドネシアの教育文化の違いについて教えてください

例えば、日本を支えるサラリーマンは責任が強く非常に優秀な方が多いです。これは幼少期から行われている日本の教育水準が高いことの裏付けであると思います。インドネシアでは、学校や地域によって教育レベルが全く異なるため、お金がなければ普通の教育を受けることもできません。

今のインドネシアの大統領がこうした教育格差を無くそうとさまざまな取り組みをされていますが、教育が国の豊かさを成長させるといっても過言ではないでしょう。多くの日本人が時間を守り・責任感が強く・約束を果たす文化を当たり前としているのは、日頃の教育の賜物だと思います。

日本の企業がインドネシア人と働く魅力について教えてください

インドネシア人はみんなフレキシブル(柔軟性がある)なため、日本の職場環境にも適応しやすいでしょう。適切に指導すれば、すぐに仕事を覚えて戦力にもなります。勉強熱心なので、教えたことを短期間で習得できますし、優しい性格をしています。日本とインドネシアは人々が優しく、勉強熱心であるという点で似ています。

JAPANNESIAへの評価を教えてください

私はJAPANNESIAさんの取り組みを信じています。
代表の上田さんはインドネシアにいる間に、生徒はもちろん、教育機関の先生たちにも教育や規律についてしっかりと教えてくれました。

そういう意味ではインドネシアの先生のなかの先生といえるでしょう。
さまざまな経験を持ったJAPANNESIAさんから多くのインドネシアの若者が日本で働き、経験やスキルを高めてくれることを楽しみにしています。

最後に日本で働くすべてのインドネシア人へメッセージをお願いします

Jaga nama Indonesia. Anggap Jepang sebagai kampung halaman kedua bagi diri sendiri, dan hargailah tim serta berusahalah demi perkembangan Jepang dan Indonesia.
(インドネシアの名前を守りなさい。日本を自分の第二の故郷のように想い、チームを大切にし、日本とインドネシアの発展のために努力してください。)

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※掲載内容は取材当時のものです。

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