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「想像の3倍くらいの成長速度に驚いた」150人のスタッフを抱える「夢とありがとう」に聞く、飲食店が外国人採用を成功させる方法とは?

  • 株式会社夢とありがとう
事業内容
飲食店の企画・運営
URL
https://dreamthanks.com/
愛媛で外国人を雇用する企業「夢の家」様 株式会社夢とありがとうを経営する代表の秋川様

株式会社夢とありがとうについて教えてください

外国人スタッフが働く夢の家

秋川様:弊社は、2009年に設立した飲食業の会社です。私自身、昔から人に関わることや料理に関心を持っており、大学4年生の後期に東京へ修業に出向いたことが創業のきっかけでした。2010年に愛媛県松山市で「夢の家」という居酒屋店舗をオープンしたことが株式会社夢とありがとうのはじまりです。
現在は、「夢の家」を含めた9店舗を県内に展開し、和食・洋食・イタリアン・居酒屋・バーなど多様なジャンルの店舗をプロデュースしており、総勢150人のスタッフたちが働いてくれています。

150人もスタッフがいて外国人がいないことが異常。外国人採用をするなら絶対にインドネシアを選びたかった。

インドネシア人を採用するため現地に赴く「夢の家」の秋川俊光氏
(写真右)現地まで赴きインドネシア人と交流する様子

外国人を採用しようと思った理由について聞かせてください。

秋川様:2つ理由があります。1つは中長期的な視点で見たときに、外国人採用が飲食業界のスタンダードになると確信していたからです。そうであれば、いまの国内採用と同様に、人材の取り合いに繋がってくるだろうと。だから今のうちに酸いも甘いも経験させてもらい、将来に備えるべきだと判断しました。実際、150人ものスタッフがいて外国人がいないのは不自然だと感じていました。

もう1つの理由は人手不足です。これは他の飲食店さんも感じていると思いますが、ここ数年で本当に人手が不足していることを肌で感じるようになりましたね。

外国人採用でインドネシアを選んだのはなぜですか?

秋川様:前提として、アジアの中でも今後の成長が期待でき、かつ親日な国から採用したいと考えていました。実は、これまでにもアルバイト雇用ですが外国人を雇用した経験があります。

私自身が、マレーシア、ネパール、中国のスタッフと仕事をしたり、バンコクで飲食店のコンサルティング業務を経験していたことから、アジアを中心に様々な国の文化に触れてきました。国が違えば人柄や文化も当然違う。だからこそインドネシアを選ぶことは、弊社のなかで重要な選択でした。

また、飲食業界ではフィリピンやミャンマーからの採用が一般的ですが、日本人の価値観に近く、弊社の理念をしっかりと理解してくれる国という観点から、インドネシアしかありえないと思ったんです。

同様に、JAPANNESIAさんの外国人材に対する姿勢にも惹かれました。
大手を含め4社ほどお話をさせてもらったなかで、インドネシアに対する想いや担当者の人柄が弊社とマッチしていると思い、インドネシア人材の採用を決断しました。

無料招待

外国人の雇用を検討されている方は、JAPANNESIAの60分無料オンライン壁打ち会をご活用ください。

インドネシアにも直接視察されていましたね

秋川様:そうですね。JAPANNESIAさんの案内でインドネシアを視察し、候補者の親御さんや教育機関のスタッフと直接話す機会を得ました。
外国人採用は、通常の採用とは違い、背景が見えにくい部分があると思うんです。「私のお店では、実は野菜と魚にこだわっている」といっても消費者にはなかなか伝わりませんよね。そういった見えないところでのこだわりを知っておきたかったという気持ちがありました。

実際に現地を訪れた結果ですが、いってみて正解でしたね。インドネシアの可能性はもちろん、候補者の育成環境や文化を知ることで、不安が払拭され、より明確なビジョンを描けるようになりました。
ぜひJAPANNESIAさんでインドネシア人採用を検討されている方はいってみてほしいと思います。

人手確保の他に外国人採用に期待していたことはありますか?

夢の家で外国人スタッフへ教える従業員
(写真左)インドネシア人スタッフへ教えている様子

秋川様:スタッフの成長を促進できることと労務を改善できることに期待していました。弊社は人材育成を重視しており、多国籍チームとして働くことで、スタッフのスキルアップにもつながるという想いはありました。

また、一昔前までの飲食業の現場は人材不足によるシフトの偏りもあり、連休を取らせる余裕など無いのが当たり前だったんです。このような「働きにくい」環境づくりから「働きやすい」環境づくりへと労務を改善していくため、外国人材による人の充実化を目指していました。応募待ちの国内採用とは違い、外国人材であれば「確実」な雇用が見込めるため、安定した人員配置を実現し、労務環境の改善を図ることができると期待していました。

採用するにあたり現場から不安な声はありましたか?

秋川様:ありましたね。実際に入社するまでは、むしろ仕事が増えるのではという認識です。本当に私たちで教えれるのかという不安も多かったと思います。体験したことがないからこその不安が現場にあったと思う。
ただ、この不安が払拭されたのは入社初日でした。実際に顔を見て、働く姿勢をみたら不安が期待にガラッと変わりました。
「これはいける」と各店舗のスタッフからも声があがりました。それくらいのインパクトを入社初日から与えてくれましたね。

「想像していた3倍くらいの成長速度に驚いた」入社後わずか半年でインドネシア人スタッフが新人研修をするまでに。

インドネシア人スタッフとの多国籍チームで居酒屋甲子園で優勝した時の様子
中四国の居酒屋甲子園に多国籍チームで出場し優勝を飾ったチャーヤさん

実際にインドネシア人を採用してみてどうでしたか?

秋川様:お世辞抜きで彼らの働きぶりには驚いています。入社当初は、ドリンク作りなどの簡単な業務から担当してもらおうと考えていました。それでも1つのポジションを覚えるために3カ月くらいの教育期間が必要だなと。それが蓋をあければ、1ヶ月でほぼ完ぺきに覚えてしまったんですね。

半年経った今では、新人研修を担当し、熟練レベルでも難しい発注作業までこなしています。
漢字・カタカナ・ひらがなを使いこなし、在庫の管理も積極的に行うなど、こちらの想定を大きく超える活躍ぶりです。

また、彼らの姿を見て、他のスタッフの成長にも繋がったと実感しています。同世代の人間が、異国の土地で親に仕送りをする姿を見ると、やはり応援というか自分も頑張ろうと思うのでしょうね。
自然と社内全体がさらに優しくなったというか寄り添うようになりました。

入社後に印象に残っているエピソードがあれば教えてください

夢の家で働く外国人スタッフ

ギディオンさん:お店が忙しい時間になるとお客様の入店って気づきにくいんです。弊社では気づいた人間から「こんばんはいらっしゃいませー」と大きな声で迎え入れるのですが、ギディオンさんが真っ先に挨拶をし、みんなが入店に気づくということが本当に多いですね。それだけお客様への気遣いができている証拠だと思います。彼は、日本人の新人研修も担っていて「もうちょっと声出さないとダメだよ」などと教育をしてくれることもあります。入社時から、まだ日本語がうまく話せないときでも笑顔で接客をする。言葉が分からなくても接客態度で挽回するということがはじめからできていました。

夢の家で働く外国人スタッフ

ディアナさん:スタッフのなかでもベテランじゃないとできるかどうか分からない発注作業を漢字、カタカナ、ひらがなが混じった日本語で発注しています。「明日週末だからこれくらい必要かな」と自分で考えながら発注している姿には驚きました。彼女が現場にいることでの安心感は半端じゃありません。今では、別業態の3店舗にヘルプを任せれるレベルに成長しています。

インドネシア人スタッフ全員にいえることですが「見て・聞いて・覚える」という力がすごいです。
こちらが教えていない作法でも「失礼します」とか「失礼しました」とか真似て覚えてくれます。「この料理がでた場合の提供トークは〇〇」というオペレーションも自然にできており、本当に素晴らしいと思います。
今では、調理の業務も任せており、ピザを伸ばして焼いたり・だし巻き卵をつくるなど、メインで活躍してくれています。

外国人採用で難しかったことはありましたか?

秋川様:難しかった点は選考ですかね。今回10人の候補者とお話をしましたが、大枠としての受け答えはしっかりできるものの、まだ細かな質問には答えられない候補者もいました。ここが日本人採用と違う点かなと思います。今回の選考も4時間ぐらい時間を割いてもらい、一人ひとりと膝を合わせて対話させてもらいました。

あとは男女比のバランスです。弊社はスタッフを「絶対に孤独にさせない」という想いが強く、選考の際でも、結果だけでいえば男性4名:女性1名の採用をする予定でした。しかし、女性スタッフの入国後を考えた際、もう一人女性が必要だろうということで男性3名:女性2名の採用となりました。

選考に関しては、JAPANNESIAさんが事前にレポートを作成してくれたので、非常に参考になりました。精度が高く、採用後に振り返ってもレポート通りの結果となりました。

外国人材の育成について詳しく聞かせてください

秋川様:弊社では、社内に外国人専門のサポート委員会「チームインドネシア」を設立し、最初の寮の備品の準備やレクリエーション開催、スキルアップの教育などを行なっています。

また、教育プログラムは日本人と同様、ドリンク作りや声出しの練習から教育を始め、基本的には、現場の店長と相談役の2名体制で主な指導を実施しています。

技術的な指導だけではなく、価値観に対する教育も実施しており、「赤本レポート(目標達成に向けてのロードマップ作成)」や「社長手紙(月に一度社長と直接手紙のやりとりを行う)」といった独自の人材育成プログラムも取り入れています。
特に、社長手紙は返事をインドネシア語で返すようにしたところ、インドネシア人スタッフがすごく喜んでくれたのが印象に残っています。

インドネシア人スタッフの歓迎会の様子

また、飲食店の現場は黙々と作業する職場ではないため、仕込み中も会話をします。結果として、日本語の上達がとんでもなく早いです。スタッフ同士で日本語やインドネシア語を教えるなど、面白おかしくコミュニケーションをとっています。
これらが自然にできているのはやはり「関係作り」ができているからなのかなと思います。

教育のマニュアルも大切だと思いますが、一番は身近な人との良好な関わりのなかで得るものの方が大きいと感じています。

外国人採用を成功させるポイントがあれば教えてください

秋川様:あくまで弊社の規模間としての話にはなりますが「4人以上の採用」が成功の秘訣になるのかなと考えています。とにかくチームをつくることが大切だと思う。逆に同国の人数が少ないと疎外感が生まれ離職率が高まる可能性があると思います。労働者としてではなく、仲間や家族くらいの寄り添いが必要でしょうね。

最後にJAPANNESIAの評価について聞かせてください

秋川様:100点満点中190点をあげたいですね。本当にJAPANNESIAさんからインドネシア人を採用して良かった。これは経営者としての私だけではなく、現場からも実際に多く声があがっています。

採用だけではなく働いているインドネシア人向けのコミュニティやイベント開催もされていて、彼らがいきいきと生活できる支援を行ってくれているので非常に助かっています。

外国人採用は単なる人手確保ではなく、企業の成長にもつながる大きなチャンスです。チームを作り、関係性を築くことが成功の鍵だと実感しています。今後も、いい候補者がいれば積極的に採用していきたいと考えています。

インタビュー後日談:株式会社夢とありがとう様より、インドネシア人スタッフの活躍ぶりが評価され、さらに3人のインドネシア人スタッフを採用する旨の通知が届きました。

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※掲載内容は取材当時のものです。

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