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外国人と子ども達の関わりが見せる未来。みかんこども園が多文化行事を取り入れる理由

  • みかんこども園
事業内容
地方裁量型認定こども園
URL
https://mikan-kids2.jimdofree.com/
(写真左)大野主幹教諭(写真中央)大野園長

みかんこども園について教えてください

園長:当園は、伊予市にある地方裁量型認定こども園です。みかんこども園は、もともと学童保育からスタートしており、その後小規模保育を併設し、現在の地方裁量型認定こども園に移行して、今年で10周年を迎えました。

当園を創立したわたし自身は、過去に公立保育園の園長や伊予市保育協議会の会長を務めさせていただいたこともあり、その間に学んだ経験を当園の活動に反映しています。

大野先生:保護者の方や園で働く職員たちの生の声を拾いながら、子ども達の新しい体験や学びになる行事(外部講師をお招きした交流など)を積極的に行い、独自の保育環境づくりに努めています。子どもの年齢などで壁を作らないオープンな保育環境であることも特徴的で、一人一人の成長に全力でサポートできるよう、職員の数は国の基準の2倍ほど在籍しています。

目先の境界を設けさせない。小さなうちの体験の積み重ねがチャレンジ精神を磨いていく。

みかんこども園で多文化交流イベントをやろうと思ったのはなぜですか?

園長:園の方針として、年齢や国籍、障害などを超えた多様性のある交流を推進しているということが大きいです。世の中にはハンディキャップを抱えたお子さんや周りと自分がちょっと違うなって感じられている保護者の方も多くいらっしゃると思うんです。

でも、このようなオープンな交流を続けたある日、ある女の子が家に帰ってお母さんに「私はね、Aちゃんが保育園に来てくれるとすごく嬉しい。あの子は可愛いし優しいもん。Aちゃんが来るとわたしも優しくなれるんよ」って言ったらしいんですよ。それにものすごい感動しましたね。

この子たちが大人になったときでも、見た目や立場などで人との距離感を見定めない子に成長してほしいと思って今回のイベントを開こうと思いました。

大野先生:やはりこういった取り組みをしていくと、子ども達も人見知りというものが徐々になくなっていくんですよね。色んな大人、色んな年齢の人と小さいうちから関わってほしいと保護者の方からも声を頂くようになりました。園の先生との閉鎖的な関わりだけじゃなくて、小さなうちから幅広い体験をさせてあげたいという想いが強いかもしれませんね。

園長:外国の方との交流も同じですよね。大人だったら「どうしよう…英語しゃべれない」とかいろいろ気にするから仲良くしたいと思っても、恥ずかしがったりしてうまく交流できないじゃないですか。でも子ども達にはそれがないんですよね。当園にもアメリカやオーストラリア出身の保護者の方がいましたけど、言葉が通じなくても園のみんなから「ダディ」っていうあだ名で呼ばれて一緒に遊んで帰ったりしてくださっていました。こういった取り組みを普段の保育から取り入れて子ども達の体験の幅を広げてあげたいんです。

イベントを開催するにあたって園内から不安の声などはありませんでしたか?

大野先生:あー、園の先生にインドネシア人の人たちがくるよと伝えた時も「あ、へぇ。インドネシアのこと勉強しとかないとね」みたいな感じでした(笑)当園がもう新しい取り組みに対してそういう文化になっているんです。

園長:日頃から、書道家の先生や英語の先生などを外部からお呼びしてるので、すごく個性が面白い専門家の方たちが園に来られるんですよね。先生や子ども達も色んな特性を持った方に触れあっているんで、すぐに新しいことを受け入れられるんだと思います。

外国人との交流を深める園の動機や目的はどんなものがありますか?

園長:これからを生きる子にとって必要なのは、広い世界で活躍していくことだと思うので多文化の人たちと交流できる力を身につけることは必要不可欠なものだと思うんですよね。そのために小さい内から体験の幅を広げさせてあげることが私たち大人の役目といいますか。

特に私たちが住んでいる愛媛県は地方でしょう?都会に行けば、地下鉄や電車でも色んな国の人がいて、言語がぐるぐる飛び交ってて、これが地方でも普通になっていくんですよね。当園にこられてたアメリカ出身の保護者の方が「愛媛県は暮らしにくい」っていってたんです。園を一歩出れば地域全体が彼を外国人だっていう感じで珍しく見られたりする。愛媛県ではまだ外国人が珍しいからか、やはり良くも悪くも注目される。だから暮らしにくいのかなって。

逆に言えば、これから社会を支える子ども達が大人になった時に、そういう境界をできるだけ持たさないようにっていう想いはありますよね。

大野先生:外国人の方と交流をすることで何か芽生えるものがあると信じて、今は種まきをしている感覚です。やはり0歳~5歳くらいの間で、体験をさせるというのが大切で、大きくなった時に「あ、これしってる」とか「やったことある」という過去の体験が、チャレンジのハードルをどんどん下げていくのかなという気がします。自分の経験の幅が広がると、大人になった時でも「この人たちと一緒に遊んだことがあるな」とか外国人を受け入れやすくなると思うんです。そういうことが気軽にできるような子になってほしいですね。

離れたくないと泣いてしまう子どもも。国籍や文化を超えるヒトのつながり

今回開催したイベントの反応はどうでしたか?

園長:子ども達や先生がインドネシアという国を知るきっかけになったのは良かったですね。イベント前にインドネシアの文化や建物、言葉をみんなで勉強したりして。いままでは上辺だけしか知らなかったことが、こういった機会があると子ども達と、その国の文化について一緒に掘り下げて学べるので、視野も広がります。

大野先生:大成功といってもいいんじゃないでしょうか。いまだに教えてもらったインドネシアのじゃんけんでみんな毎日遊んでいますよ(笑)インドネシア語のみかん(Jeruk / ジュルック)の発音で先生が「みかんってインドネシア語でなんていうんやっけ?」って聞くと「ジュルックよ。でもクは発音せんのよ」とか教えてくれて。すごく面白いですよね。本当にやってよかったと思います。

現在もインドネシアのじゃんけんに熱中する子ども達

当日印象に残っているエピソードがあれば教えてください

園長:こちらもイベント前に事前に色々用意はしてたんですけど、みんなが挨拶とかする前に「汽車ごっこ」とか「電車ごっこ」をしだした瞬間ですかね。子ども達も最初は緊張してたんですけど、こちらがお膳立てした交流ではなくて、ああいった自然発生的な交流でポッと緊張が解けたときっていうのは印象にすごく残っています。

大野先生:わたしが印象的だったのは、最後に感想をいってくれたインドネシア人(ファミさん)の方が「自分も母国に幼い兄弟がいる」という話を聞いたときです。すごく楽しそうに交流してくれていたから、母国の兄弟と子ども達を重ねてくれていたのかなと感じて。子ども達だけではなくて、インドネシアの方の心の癒しにもなれたのかなと思うと、なんか救われた気持ちになりましたね。

年長さんの子ども達は、自分が上の子という場合が多いんですよね。だから本当のお姉ちゃん、お兄ちゃんができたみたいですごく嬉しそうだったのも印象的です。帰りに離れたくなくて泣いちゃう子もいるくらい。また会いたいってずっと言っています。

多文化共生の行事をする際に気をつけるポイントはなにかありますか?

大野先生:外国人の方とのコミュニケーションがちゃんととれるかどうかが大切だと思います。こちらも現地語が話せないので、外国の方とかだと言葉が通じなくても、「OK!」「YES!」って結構いいがちで(笑)。最終的に意図が通じていなかったり。そういうところの摩擦をある程度リードしていただけたり、ジャパンネシアさんのように外国人のなかでも子ども好きの人だけを集めていただいたり、そういったことができる仲介人を見つけることが大切なんじゃないかなと思います。

以前に、外国の方との交流会を開いたことがあったんですが、外国人講師の方と私たちの間で言語の壁が生じて思うようにいかなかったことがあったんです。だからジャパンネシアさんのような方々がいるとスムーズに絡んでいけますよね。

園長:当園だけではなくて、他の園でも来てほしいというところは多いと思いますよ。でもどうしたらいいか分からないところが多いですし、やはりこちらも任せるとなると、ある程度の信用・信頼が必要になります。

大野先生:ジャパンネシアさんが連れてきたインドネシアの方は、一緒に遊んでくれるし、あの感じだと、全然他の園でも子ども達は懐くと思いますね。先生達からも「すごい良かったですね」って評判が良かったです。

最後にジャパンネシア・多文化共生UMIのおすすめポイントを教えてください

園長・大野先生:全体的におすすめしたいです(笑)

園長:今回来ていただいたインドネシアの方は、みなさん人間的に温かみがある人ばかりで、すごく愛らしいです。本当に子どもが好きなんだっていうことが伝わってきましたし、なにより人柄が良いですよね。働き手として外国から連れてくるだけではなくて、こういった活動に目を向けているっていうのはすごく良いことだと思います。

大野先生:インドネシアの洋服や楽器を持ってきていただけたことも良かったです。「外国人はこちらで集めます。あとはどうぞ」みたいな感じじゃなくて、ちゃんと打ち合わせから進行まで担って頂けた。やはりイベントの全体を通して引っ張っていただいたということが成功の要因になっていると思います。

Special Thanks

株式会社夢とありがとう 様
・DIANA NOVITA SARI
・NADIA MUSTIKA
・FREDY HARIYO SENO
・SANDRA MAHARANI PUTRI PILIANG

有限会社さくら介護 様
・YOUKEN ALDA AYU HIDAYAT
・WURI LESTARI
・SITI NUR HANIFAH
・OKTA PANCAWATI

伊予鉄商事株式会社 様
・AFRIZAL JUNYAR PRADANA

INDONESIA SUPPORTER
・FAHMI IDRIS
・KENJI

愛媛大学
・大家帆香
・増田温樹

※掲載内容は取材当時のものです。

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